2017年末の熱気も落ち着き、コインを握っているだけでは何も起きない日々が続く今日この頃。今回は「あぁまた価格が下がるのね知ってる」というエスパーな方のために、下げ相場でも利益が出せる信用売り注文の方法をZaifを例にして解説してみたいと思います。
Contents
Zaifの信用取引とは?
仮想通貨の空売り
国内仮想通貨取引所のZaifExchangeでは
通貨ペア間で通貨の交換を行う現物取引やZaifと通貨の売買を行う簡単売買のほかに
信用取引という項目があることに気が付いた方も多いかと思います。
信用取引というのは、例えばビットコインだと
- Zaifから貸し付けてもらった貸付金でビットコインを購入し、ビットコイン価格が上がったところでビットコインを売却して貸付金を返却する信用買い(買い建玉、ロングとも呼ばれます)
- Zaifから貸し付けてもらったビットコインを売却し、ビットコイン価格が下がったところで買い戻してビットコインを返却する信用売り(売り建玉、ショートとも呼ばれます)
このように、Zaifから貸し付けてもらった通貨を
ビットコインの購入に当てたり空売りすることで利益を発生させる取引方法です。
仮想通貨に限らず、
外国為替のFXなどではおなじみの取引方法のひとつですね!
画像引用:Zaif
信用売り(ショート)の機能を利用すれば通貨の価格が下がると利益が発生するため、
Zaif取引所に限らず、現在の市況で立ち回りの一手として利用するユーザーも増えてきましたね。
信用取引ではユーザーの手持ちの通貨で取引を行わないかわりに
Zaifから通貨を貸し付けてもらうために証拠金の拠出、いわゆる担保が必要となり、
要求される金額はレバレッジの倍率や建て玉の数量によって変化します。
※日本円に限らず、ビットコインやモナコインなども証拠金として拠出できます
なお、信用取引ではBTC現物のレートが適用されますが、
独自のレートで取引を行うビットコインAirFXという似たような取引項目も存在します。
AirFXの板は現物取引とは異なる板を用いますが、
現物板との乖離を修正する注文を行うと手数料が貰えるスワップポイントの存在によって
現物板とほとんど変わらない動きになっています。
ポジション手数料や強制ロスカットの存在
例えば信用売りのポジションを行った途端、ビットコインの価格が上がった場合に、
「今は上がっててもずっと待っていれば下がってくるだろう」とポジションを維持したいところですが
信用売りには一日一回徴収される日時手数料(建て玉金額の0.039%)のほかに、
一定の証拠金維持率(30%)を下回った際に発動される強制ロスカットという制度が存在するため
いつまでも待っておけば良い、とは一概にも言えず
ポジションを行う際にも慎重さは欠かせないところです。
ロスカットが発生しにくい低レバレッジでスイング的なポジションを取ったり
少し高めのレバレッジで瞬間的な利益を繰り返し取ってゆく、スキャルピング的な運用など
現物にはないFXや信用取引ならではの運用テクニックが要求されるのも証拠金取引のひとつの醍醐味と言えるのではないでしょうか。
ZaifではMONA板でも信用売りが可能
Zaifではビットコイン以外に
モナコイン(MONA)でも信用売りが可能です。
ただしモナコインの信用売りでは
レバレッジは1倍固定となっております。
信用売りの注文方法
文章で説明するのは意外に難しいもので・・・
1倍レバレッジの1000円分程度で
試しにポジションを行ってみることをオススメします!
とくに専用の口座に振り返る必要もないので
Zaifでの信用売りの方法はカンタンです。
ビットコイン信用売りの場合はBTC/JPYペアの信用売りタブを、
MONAの板を利用するのであれば
MONA/JPYのペアから信用売りタブを選択します。
1BTCの価格
ポジションを行う金額です。
この価格になったら信用売りを行いたい、という価格を入力します。
レバレッジ
証拠金に対して指定の倍数のコインを購入できる機能です。
まずは1倍から慣れるようにし、
高くても2.5倍までにしておいたほうが良いかと思われます。
売りたい量
貸し付けてもらう数量です。
数量を直接指定しても良いのですが
アカウント残高からパーセントを選ぶこともできます。
必要証拠金
ポジションを行うために必要な残高が表示されます。
BTC価格 × 数量 ÷ レバレッジ倍率 で算出されます。
ポジションは複数行うことができるため
ひとつの注文に全額を投入せずに
(ショートの場合は)高値で掴みたい価格に仕込んだりと
いろいろなシチュエーションに備えて
ポジションを仕込んでおくユーザーも少なくありません。
リミット買い
指定の金額までBTC価格が下がったら
BTCを買い戻す=ポジションを解除する数値です。
「この価格で○○円儲けるからやーめよ!」
という金額を指定してあげます。
ストップ
リミット買いとは逆に、
指定の金額までBTC価格が上がったら
BTCを買い戻す=ポジションを解除する数値です。
「この価格以上は無理だ・・・」
といった、おもに撤退の金額を指定するほかにも
BTC価格が下がり続ける一定価格で数値を下げていくことで
「価格が跳ね返っても○○円の利益は最低確保できる」といった
含み益を調節するためのストッパーとしても利用できる数値です。
変なメッセージが出てポジションが取れない場合は?
とくに相場が激しく動いているような状況だと
『注文:申し訳ありません。貸付残高が不足しているため一時的に注文できません』
というメッセージが出てポジションを取れないことがままあります。
これはユーザーの残高が不足しているのではなく、
Zaif側の貸付残高が不足している(ポジションを取っているユーザーが多い)ために
『リミット買い』や『ストップ』で貸付金の返却を待っている状態であるため
少し時間を置いて再試行すると注文が行えるようになります。
建て玉の確認はチャットのタブを切り替えましょう
ポジションの確認を行うには
普段はチャットが表示されているタブを『注文と履歴』に切り替えると確認することができます。
『詳細』を押すとそのポジションの状況を確認することができます。
ポジションを行う(建玉平均に数値が入る)と取り消しが実行できなくなり
リミット買い価格やストップ価格でのみ
ポジションの決済を行うことができるようになるので注意されてください。
とくに相場が激しく動いている状況などでは
『注文価格・リミットの変更』を行おうにも受け付けてもらえず、
瞬間的に得ることができた含み益を逃してしまったり
逆にストップを通り越して、さらにはロスカット数値を通り越して大幅な含み損を抱える可能性もあるため
現状のZaifでレバレッジを掛けるのは自殺行為とも呼ばれ、ユーザーに恐れられています。
AirFXや信用取引には大きなリスクが伴う
強制ロスカットが執行されない恐怖
Zaifでは遅延やバグ、注文状況によって
ユーザーが設定したストップ価格で当たり前に決済が行われなかったり(焼く、消毒などと呼ばれています)、
証拠金が30%を切っても強制ロスカットが発動しないという、恐怖の現象が当たり前に起こっています。
「ロスカットが30%以下だから、最大でも70%の損失で済むね!」
と思ったら、少なくともZaifでは大間違いです。
含み損が青天井で膨らんでいくサマは、まさに冷や汗もの。
相場を読み間違えた負けなら潔く受け入れられるのですが、
取引システムの不備によって膨らんだ損失を目の前にすると
怒りを通り越して呆れかえってしまうところです。
これが本当に極悪で、Zaif側は仕様と割り切ってしまっており
アカウント残高がマイナス表示になることも珍しくなく、
わたしも残高マイナスを経験したひとりだったりします。
ちなみにZaifでアカウント残高がマイナスになると
とくに借金取りが家に押し寄せてくる、といった話は今のところ見かけませんが、
日本円入金を行ったり、保有通貨を売却するなどしてマイナス表示を消さない限り
保有通貨の送金や取引が不可能になってしまうようです。(私はあわてて日本円を入金しましたが・・・)
上記の防衛策としては、やはり
小額運用で遊ぶ程度にとどめておく
コレに尽きます。
これは含み益が出ている逆の状況でもまったく同じであり、
含み益が出ている状況で決済を行うために
リミットやストップの変更を掛けてもそれらを受け付けてもらえずに
↑画像のように目の前で利益が消えていくのをただ見つめるしかない、といった状況も朝メシ前です。
(※画像では評価損益が1500円になるまで変更を受け付けてもらえませんでした)
これらはZaifに限らず、
LightningFXで有名なbitFlyerでも同じような現象に悩まされるユーザーも多く
アルトコインを求めたユーザーが香港のBinanceにたどり着いたように
ショート専門も含めたビットコインFX(証拠金取引)ユーザーは
現状、香港のビットコインFXの雄、BitMEXへと流れている状況です。
BitMEXではビットコインのかわりにXBTという取引所通貨をクッションに置くことで
内部取引(いわゆるノミ取引の一種)を成立させる仕組み上、
追証が発生しないという優れた特性を持つFX取引所として人気を博しています。
こんなことを言うのもなんですが、
ショートを行ったりFX限定の運用を行うのであれば
Zaifではなく普通にBitMEXをオススメします。
まとめ
下げ相場でも遊べるショートポジションですが
Zaifの信用取引についてはシステムが不安定であり、遊び程度に仕込んでおくのは良いにしても
とくにレバレッジを掛けて運用を行おうと考えている方には、とてもオススメできるような状況ではありません。
『Zaifの信用取引は手札を見せてポーカー勝負を挑むようなもの』
とはチャットで見かけた言葉です。ステキですね。
(タイムマシン・カシオペアも使ってくるぞ!)
ショートポジションやレバレッジも含めた運用に関しては
香港のBitMEXが現在のところは日本人ユーザーから圧倒的に支持を得ている状況なので、
Zaifの信用取引との違いなどをよく確認されて、ビットコインFXにチャレンジされてみるのも良いかもしれません。