ここでは海外取引所Binance(バイナンス)でのIEO通貨、BTTの購入方法をイチからご紹介します。BitTorrentに覚えのある方、あるいはその通貨やBinanceのIEOに興味を持った方はぜひ参考にされてみてください。
Contents
IEOについてのおさらい
そもそもIEOとは?
IEOとはInitial Exchange Offeringの略であり、ブロックチェーンプロジェクトと仮想通貨取引所が合同で開催するICO(※未上場通貨の先行販売)を指します。
独自チェーン上での稼働を前提としたCOMSAやICOSとは異なり、IEOは取引所やそのプラットフォームとは関連しない外部ブロックチェーンプロジェクトのICO環境(※Binance Launchpad等)を取引所が提供し、通貨の流通を手助けする仕組みです。
一般的なICOでは購入した仮想通貨/トークンの取引所への上場先や上場そのものを心配する声も散見できますが、IEOでは提携する取引所がそれらを請け負うため、通貨の取引所上場に関する心配は無用。
一方で取引所そのものの取引高といった規模によっては、まったく取引できない状況に陥る可能性も考えられますが、IEOの主動となっているBinanceほどの規模だと現状でしっかりと取引が行われており、買い手が付かないといった状況も執筆時(※2019年6月)の現状だとほとんど心配なさそうです。
BitTorrentToken(ビットトレントトークン)/BTTとは?
概要
BitTorrentToken(ビットトレントトークン)/BTTは、分散型ネットワークBitTorrent上の、リーチャー(ダウンロードユーザー)とシーダー(アップロードユーザー)の関係を効率化し、BitTorrentSpeedプロトコル上におけるネットワーク機能の最大化を図るために導入された流動通貨です。
BitTorrentの開発団体であるBitTorrent, Inc.はTRONによって買収されており、そのためBitTorrentSpeedのプラットフォームはTRONがベースとなっています。
BitTorrentを知っている人は、昔から知っているかもしれません。Torrentというと悪用・・・というイメージを持つ方もいるかもしれませんが、ホストサーバーの負担を節約したソフトウェアあるいはバッチの配布手段として、海外の小規模企業などでもよく利用されています。
BitTorrentSpeedアプリではBTTを利用することで、ファイルのダウンロード時に通常では接続できないIPのホストからデータを受け取れたり、優先トラフィックを得ることができます。逆に、高い帯域を用いてファイル断片を公開しているアップローダー(シーダー)はBTTという今までに無かった報酬を受け取ることが実現するのです。
これによりダウンロードが済んだらすぐに切断せず、シード側に回るユーザーが増えることでBitTorrent全体におけるダウンロードの高速化とシーダーの増加が見込まれ、システムの効率化が進む、というプロセスがBitTorrentTokenの目指すあり方なのでしょう。
価格はどんな感じ?
BTTのICOは2019年1月28日~2月3日にかけてBinance上で行われ、現在は同取引所にてBTCやUSDT建てで取引、購入可能です。
世界最大の取引所が連携したIEOだけあってか2019年6月時点の取引高が第34位と、OmiseGOやLiskと同等の取引規模を誇る人気通貨として躍進しました。
ビットコインばかりでアルトコインが伸び悩む状況でも、BinanceのIEOで誕生したプロジェクトはおおむね成長を遂げており、Binance上で開催されるIEO自体に注目が集まっている、といった状況といっても良いかもしれません。
BTTのほかにBinanceで開催されたIEO銘柄は、
- FET(Fetch.ai)
- CELR(Celer Network)
- MATIC(Matic Network)
- ONE(Harmony)
といったものがあります。
そもそもP2P/分散型ネットワークとは?
画像はウィキペディアより引用
私たちがパソコンやスマホを使い、例えば何かしらのファイルにアクセス/ダウンロードする際には、ホストと呼ばれる母体サーバーにアクセスする『クライアントサーバー』方式を用いるのが一般的です。
例えばYouTubeの動画やiTuneの音楽も、ユーザーがそれぞれの企業の管理する巨大なホストサーバーへアクセスし、データを端末上の一時メモリやストレージに落とし込んでコンテンツを楽しみます。
クライアントサーバー方式の場合は、各々のユーザーによってホストサーバーへ集中的にアクセスされた場合、サーバーのパンクを防ぐため一時的に接続を弾いたり低速化といった処置が行われることもしばしば(※ニコニコ動画のエコノミーモードなどもそのひとつです)であり、ECサイトならまだしも、とくにエンターテインメントに関しては巨大で強靭な設備が必要となることもあります。
画像はウィキペディアより引用
P2P(Pear to Pear/ピアツーピア)はそれぞれの端末がホストとして、P2Pソフトを導入したそれぞれの端末へファイルの断片を要求し補間する通信方式です。
例えばAさんが音楽ファイル『いろはにほ』をダウンロードする際には、『いろはにほ』を所持するBさんのうちのAメロ部分、同じく『いろはにほ』を持つCさんのうちのサビ部分、Dさんの持つBメロ部分・・・といったように、それぞれから部分的にファイルの断片を集めることで、ひとつのトラフィック障害をはじめとしたホストサーバーの環境に左右されない通信が可能となります。これは分散型ネットワークとも呼ばれます。通常『いろはにほ』をシード(完成品を持ち、公開している状態)の人数が多ければ多いほど、ダウンロードが早くなります。
極論的にP2Pダウンローダー/アップローダーを利用しているすべてのユーザー間で、それぞれが持つすべてのファイルにアクセスできることから、それらに関してはファイル共有ソフトとも言われており、BitTorrentはそのはしりともなったソフトとして非常によく知られています。
P2Pについてはビットコインの通信処理やトランザクションと言われるブロックチェーンでも同様の方法が用いられています。ひとつのホストにある帳簿が悪意あるものによって書き換えられた場合でも、その他のホストが持つ同名の帳簿を多数決で照らし合わせることで、暗号通貨の信頼性、ひいては価値を保障しているのです。
BTTの買い方、手順
前置きが長くなってしまいましたが、本題のBTTの購入方法について解説します。
大まかなステップとしては、
- 国内取引所にて日本円でビットコインを買う
- Binanceの口座を開設する
- Binanceへビットコインを送金する
- BTT/BTCでBTTを購入する
上記のような流れが一般的となっています。
国内取引所については大抵の取引所でビットコインを購入できますが、とくに取引所ごとの価格差は無いため、ここでは操作が簡単なコインチェックを使って解説を進めていきます。
1.国内取引所(コインチェック)でビットコインを購入
まずはBinanceで取引されているBTTを購入するために、国内取引所にてビットコインを購入します。
「Binanceで直接BTTを買えばいいんじゃないの?」という疑問もあるかもしれませんが、海外取引所のBinanceでは日本円によるアカウントへの入金や日本円建での取引手段が用意されておらず、基本的にはビットコイン対BTTで購入(取引)するカタチとなるため、Binanceを利用するためにはビットコインを日本円で購入できる国内取引所の登録が必須となります。
コチラの記事では操作が比較的簡潔な取引所/販売所、コインチェックにおけるビットコインの買い方をアカウント作成からご紹介しています。販売所ではなく、取引板で購入(取引)したほうが断然オトクなのでぜひそちらを活用しましょう。
2.海外取引所Binanceのアカウントを開設する
続いてBTTが取引されているBinance(バイナンス)取引所のアカウントを開設します。
上記記事ではBinanceの大まかな登録手順をご紹介しています。
Googleの2段階認証アプリが必須となるため、登録・送金の前にお手持ちのスマホが動作可能か必ず確認してください。
3.Binanceのアカウントへビットコインを送金する
前に開設したコインチェックのアカウントから、Binanceのアカウントに向けてBitcoin(BTC)の送金を行います。
まずはBinance側でビットコインの受け口となる『受け取りアドレス』を生成しておきます。
取引画面上部メニューの『Wallet』から『Deposit』を選びます。
通貨の検索ウィンドでbtc(BTC)と入力すると右側にビットコイン専用の受け取りアドレスが表示されます。
手入力でメモしてはいけません。copycodeやショートカット(ドラッグ選択してCtrlキー + C)、QRコードなどでクリップボードやメモ帳などにコピーしましょう。
コチラはコインチェックの画面です。ビットコインは前段階の『コインチェックでのビットコインの買い方』記事を参考に、購入済みの前提で進めさせていただきます。
取引所画面の左メニューから『コイン送金』をクリックします。
送金通貨の種類を『ビットコインを送る』タブに合わせます。
『送金リストの編集』を押して右側に先ほどBinanceで生成したビットコインアドレスを入力します。左側のラベルは次回送金時に分かりやすく区別するものなので、それっぽく付けて追加ボタンを押せばOKです。
あとは送金するBTC数量『金額』を入力して『送金する』を押せば完了。
トランザクションの状況にもよりますが早くて30分~1時間、遅くて2~5日ほどでBinance側のアカウントにコインチェックから送金したビットコインが着金します。
4.ビットコイン建ての市場でBTTを購入する
BTTはビットコイン建てのBTT市場で購入可能です。
目的のマーケットは取引画面の右側検索ボックスに『btt』や『BTT』と入力すればソートされて出てきます。
お使いの環境によっては『BTT/USDT』というものが出てくるかもしれませんが、ビットコイン建ての市場である『BTT/BTC』を選択しましょう。対応したチャートと取引板に切り替わります。
左側緑色のBUYメニュー『Limit』タブは指値注文。価格を指定してBTTを購入します。
正しくは買い注文を板に並べる行為で、いくら安く買いたいからと安値を入力してもその価格での購入者がいなければいつまで経っても購入(約定)できず、自分の買い注文が板に残り続けてしまいます。
価格が下落傾向で「この価格まで安くなったら買おうかな」という買い方であればLimit注文を使いましょう。
『Market』タブはいわゆる成行注文で、現在の売り注文から価格の安い順に売り板を買い上げていく方式です。そのため、価格の指定ができません。
よほどの巨額注文でなければ上の価格まで滑ることはありませんが、念のため各価格での板の厚さを確認しつつ、現在価格付近ですぐにBTTが欲しい、という方はこちらで手っ取り早く購入しましょう。
まとめ
今回はざっくりとではありますが、コインチェックを利用したBinance取引所でのBTTの購入方法をご紹介しました。
- 国内取引所にて日本円でビットコインを買う
- Binanceの口座を開設する
- Binanceへビットコインを送金する
- BTT/BTCでBTTを購入する
海外取引所を利用してアルトコインの購入やICO、IEOへ参加する流れは、基本的にどのような通貨が対象でも変わりません(※99%はビットコインかイーサリアムで事足ります)。
Binanceのアカウント登録のほかにも、海外取引所におけるタネ銭となる、ビットコインを日本円で購入するための国内取引所の登録も必須となります。Binanceはすぐにアカウントを開設できますが、国内取引所は本人確認の認証や書留の受け取りで1~2週間程度の時間を要しますのでご注意ください。