コインチェックのNEM流出事件以降、広く世間に知られるようになった「仮想通貨」という単語。これを機に仮想通貨について勉強しよう!という方も多いのではないでしょうか?
しかし、本屋には仮想通貨関連の本が無数に並べられており、どの本を手にとっていいかわからないですよね。
そこで、まずはこの本から!という本をご紹介したいと思います。
「仮想通貨革命」です。
Contents
著者はファイナンス研究の最先端を走る野口悠紀雄さん
著者は、早稲田大学ファイナンス総合研究所で顧問を務める野口悠紀雄さん。ファイナンス理論と日本経済論を専攻にしている野口さんは、一橋大学の名誉教授でもあります。
本書以外にも、「情報の経済理論」、「財政危機の構造」、「バブルの経済学」など多くの著書を執筆しています。
本の内容について
本書のパートは、大きく5つに分かれています。
- 通貨革命が始まった
- きわめて斬新なビットコインの仕組み
- ビットコインに続くもの
- 現代の通貨はどこに問題があるか
- 通貨革命は社会をどう変えるか
1.通貨革命が始まった
この章のメイントピックは、仮想通貨が社会に与えるインパクトについて。
- 少額決済が容易になる
- 銀行業務が代替されるかもしれない
など、とても興味深い内容が盛りだくさんです。
以下、本文からの抜粋です。
途上国における送金コストは、先進国よりさらに高い。それどころか、銀行システムが存在しないため、そもそも送金が不可能な場合も多い。ビットコインで送金できるようになれば、途上国の経済は大きく変わる。
仮想通貨の恩恵は、先進国以上に途上国の方が多く受ける場面が多いと言われています。
途上国では他国に出稼ぎへ行っている人も多く、彼ら、彼女らが自国に住む家族に仕送りを送るには、仮想通貨は最適ですよね。
2.きわめて斬新なビットコインの仕組み
この章のメイントピックは、ビットコインの仕組みについて。
デジタル署名やブロックチェーン、プルーフ・オブ・ワークなど、初心者がつまづきやすいポイントについてわかりやすく解説されています。
以下、本文からの抜粋です。
P2Pとは、サーバー(中央のコンピュータ)が存在せず、ここのコンピュータが対等の立場でインターネットを通じて直接接続し、データを送受信するネットワークである。
他の本ではサラッとしか解説されていないところも、本書ではしっかり解説されています。本書はとても網羅性が高いので、本書を読み、ビットコインやブロックチェーンの基礎知識が一通り身につきました。
3.ビットコインに続くもの
本章では、ビットコイン以外の仮想通貨について解説されています。ビットコインとの対比を用いながら、とてもわかりやすく解説されていました。
以下、本文からの抜粋です。
現代の社会は、取引の大部分がドルや円で行われているが、リップルはそうした状況にすぐに溶け込める。それに対して、ビットコインは受入店舗がないと価値がなくなる。
リップルが広く普及されれば、銀行を経由する現在の送金・決済システムは大きく変わるかもしれません。仮想通貨はそれぞれ特徴を持っており、ビットコインとの違いを学んでいくのはとても面白いですよね。
4.現代の通貨はどこに問題があるか
本章では、日本円や米ドルなど、現代の通貨が抱える問題点について解説されています。
以下、本文からの抜粋です。
開発途上国では、銀行サービスが利用できないのがむしろ普通だ。したがって、先進国におけるような送金はできない場合が多い。
日本に住んでいるとあまりピンときませんが、途上国では銀行が身近にないことが一般的です。そんな国に仮想通貨が普及すれば、加速度的に生活は便利になりますよね。
5.通貨革命は社会をどう変えるか
本章では、仮想通貨やブロックチェーンが作り上げる未来について述べられています。生活様式だけでなく働き方まで変わるかもしれない。そんな可能性について言及しています。
以下、本文からの抜粋です。
DACは、中央集権的なトップの管理者がいなくても機能する組織である。
DACは、Decentralized Autonomous Corporationの略で、「分権化した自動企業」という意味。ビットコインの持つ非中央集権的な仕組みをうまく使えば、会社も非中央集権的に運営できるのではないかという考え方です。
「管理者のいない会社」なんて今はまだピンときませんが、そんな未来が来るのかもしれませんね。
本書を読んでみた感想
P2P、プルーフ・オブ・ワークなど、初心者がつまづきやすいポイントについてかなり詳細に解説がされています。そのため、これまで正しく理解できていなかったものも正確に理解することができました。
また、仮想通貨やブロックチェーンが作り上げる未来についてもかなりの分量が割かれています。本書を読み、「仮想通貨について勉強しないと社会の変化に置いていかれるな。」と改めて思いました。
Amazonのレビューをチェック!
Amazonではどのようなレビューが寄せられているのか見てみましょう。
55件のレビューが寄せられており、評価は5つ星のうち4.2でした。
以下、興味深かったレビューをご紹介します。
ビットコインの誤解が解け、とても、わかりやすく、書かれていたと思います。
確かに、盲目的に「ビットコインってなんか怪しい」とお考えの方は未だにとても多いと思います。そんな方は、本書を読めばビットコインについて正しく理解でき、それまで抱いていたネガティブなイメージが払拭できるのではないでしょうか。
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kindle版:1,296円
単行本(ソフトカバー):1,620円
(金額は変動する可能性があります。最新情報は、アマゾンにてご確認ください。)
まとめ
以上、「仮想通貨革命」の書評をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?
仮想通貨の仕組みみだけでなく、仮想通貨の作り上げる未来についても解説されている本書は、仮想通貨初心者にオススメの1冊です。
仮想通貨の勉強は、ぜひ本書から始めてみてください。