仮想通貨

【書評】仮想通貨の未来とは?「アフター・ビットコイン」を読んでみた

サイバーエージェントやDMM.com、GMOインターネットなど、大手IT企業が続々と参入を始めている仮想通貨業界。

ビットコインに関するニュースを日常的に目にするようになるなど、その勢いはとどまるところを知りません。

また、仮想通貨のみならず、その仕組みを支えるブロックチェーン技術にも注目が集まっています。

自社サービスに応用するべく、多くの企業が研究に力を入れているブロックチェーン技術は、ビジネスのあり方を大きく変えるかもしれません。

そんな中、仮想通貨やブロックチェーン技術の勉強を始めてみようとお考えの方も多いのではないでしょうか?

そんな方に、まずはこの本から!という1冊の本をご紹介したいと思います。

「アフター・ビットコイン」です。

著書は日本銀行で活躍していた中島真志さん

著書である中島真志さんは、日本銀行で活躍していた決済システムの第一人者。

現在は、麗澤大学経済学部で教授を務めています。

単著に「外為決済とCLS銀行」、「SWIFTのすべて」、「入門 企業金融論」、共著に「決済システムのすべて」、「証券決済システムのすべて」、「金融読本」など、多くの書籍を執筆されています。

本の内容について

本のパートは、大きく7つに分かれています。

  1. 謎だらけの仮想通貨
  2. 仮想通貨に未来はあるのか
  3. ブロックチェーンこそ次世代のコア技術
  4. 通貨の電子化は歴史の必然
  5. 中央銀行がデジタル通貨を発行する日
  6. ブロックチェーンによる国際送金革命
  7. 有望視される証券決済へのブロックチェーンの応用

1.謎だらけの仮想通貨

この章のメイントピックは、「ビットコインとは?」

ビットコインのはじまりや使い方、仕組み、マイニングなど、仮想通貨初心者がつまづきやすいポイントを中心に解説されています。

以下、本文からの抜粋です。

仮想通貨には、紙幣やコインといった目にみえる形での物理的な存在はなく、あくまでも単なるデータがコンピュータ上でやり取りされることになります。このため、「仮想の(バーチャルな)通貨」と呼ばれるのです。

法定通貨(円やドルなど)との対比を用いて解説されているので、とても理解がしやすかったです。

法定通貨と仮想通貨は何がどう違うのか?その違いについてあまり理解できていませんでしたが、本章を読み、正しく理解することができました。

2.仮想通貨に未来はあるのか

「ビットコインは通貨史上の大きな革命だ!」、「ビットコインは通貨の未来を変えるかもしれない!」など、一般的に、ビットコインについては「バラ色の未来」が語られることが多いですよね。

そんな中、本章では、ビットコインを巡って起きた事件や、ビットコインの仕組みに内在する懸念材料などが語られています。

以下、本文からの抜粋です。

1BTC以上を保有している上位3%の保有者が、全体のビットコインのほとんど(97%)を保有しています。このようにビットコインは、少数の人が大部分のコインを所有しているという、かなり歪な保有構造となっていることが分かります。

ビットコインのウォレットは、世界で約1,600万個存在していると言われています。

とても多くの人たちがビットコインを保有しているのかと思っていましたが、実際はごくごく一部の人がそのほとんどを保有しているのですね。

これはとても驚きの事実でした。

3.ブロックチェーンこそ次世代のコア技術

この章では、ビットコインの基幹技術であるブロックチェーン技術について解説されています。

ブロックチェーン技術とは?という解説はもちろんのこと、それが社会にどのような影響を与えていくのか?というところまで解説されており、とても興味深い内容です。

ビットコインの基幹技術として開発されたブロックチェーンですが、金融分野だけでなく、医療情報や投票管理などの非金融分野にまで広く応用されていく可能性があると筆者は述べています。

以下、本文からの抜粋です。

「ビットコイン中心の世界」から、「ブロックチェーンが主役の世界」へと移行してきており、当初のビットコインの導入段階からは、主客が完全に逆転しているのです。

「ビットコインの基幹技術」として知られていたブロックチェーンですが、ビットコインはあくまでもブロックチェーンの最初の実用例にすぎない、ということですね。

幅広い業界に横展開されていくことを考えると、「ブロックチェーン技術はビットコインの基幹技術であって、自分には関係ない。」なんて言っていられなくなりますよね。

ブロックチェーン技術は、すべてのビジネスマンが勉強必至のテーマかもしれません。

4.通貨の電子化は歴史の必然

世界の中央銀行がブロックチェーン技術の利用を検討しており、一国家が電子通貨を発行する日もそう遠くはないかもしれません。

本章では、通貨の歴史に触れながら、通貨が電子化に向かうことの可否について解説されています。

本当に一国家が電子通貨を発行することは可能なのか?というところから始まり、各国の取り組みなどについてわかりやすく解説されていました。

以下、本文からの抜粋です。

技術の進歩に伴って金属貨幣に代わって紙幣が主流となったように、イノベーションによって、「物理的な通貨」に代わって「電子的な通貨」が発行されるようになることは、十分にありうることなのです。貨幣へのデジタル技術の応用は、ある意味で「歴史の必然」であると言えるでしょう。

金属の精錬技術や加工技術が確立したことによって金属貨幣ができ、製紙技術や印刷技術が発達したことによって紙幣が製造されることになりました。

「その時代に利用可能な最新鋭の技術を使って貨幣を発行してきた」という歴史を考えると、デジタル技術を応用して電子通貨を発行することは必然であるということですね。

それが実現されれば、わたしたちはわざわざ銀行窓口に行くことも、ATMを探し回ることもしなくなるでしょう。

ブロックチェーン技術が、わたしたちの生活を劇的に便利に、快適にしてくれるのかもしれませんね。

5.中央銀行がデジタル通貨を発行する日

本章では、前章の内容からもう一歩踏み込んで、一国家が電子通貨を発行するとしたらどういった形になるのか?という、より具体的な考察が行われています。

以下、本文からの抜粋です。

中央銀行が発行するデジタル通貨をビットコインなどの仮想通貨と比較すると、以下のような点が異なっているものと言えます。
①中央銀行が発行主体となること。
②全体のシステムの運営についても中央銀行が行うこと。
③通貨単位が国内の通貨単位となること。

中央銀行が発行するデジタル通貨とビットコインなどの仮想通貨の違いがわかりやすく解説されていたので、デジタル通貨についてすんなり理解することができました。

「ブロックチェーン技術を使用する」という点では同じですが、その性質は大きく異なるんですね。

6.ブロックチェーンによる国際送金革命

本章では、ブロックチェーンの応用がもっとも有力視されている「国際送金」について言及されています。

国際送金にブロックチェーンを応用するとどのようなメリットがあるのか?また、それはどういった形で応用されるのか?などについて書かれています。

以下、本文からの抜粋です。

リップル・プロジェクトでは、〜中略〜クロスボーダー送金をリアルタイムで効率的に行うことができるものとしています。

時価総額がイーサリアムを抜いて2位になったことで知られている、あのリップルですね。

リップルが行おうとしている社会変革についてとてもわかりやすく解説がされていたので、リップルに対する理解がとても深まりました。

海外送金をもっと安く早く行うことができたら、グローバル企業はもちろん、他国へ出稼ぎに出ている方たちにも大きなメリットになりますよね。

7.有望視される証券決済へのブロックチェーンの応用

本章では、ブロックチェーン技術の応用先としてもう一つ有望視されている「証券決済」について言及されています。

証券決済への応用方法や、そのメリットについて解説されていました。

以下、本文からの抜粋です。

証券市場では、〜中略〜その社会的なインパクトは巨大なものとなるでしょう。

証券決済は、機関投資家や証券会社など多くの当事者が関与しながら、取引照合、清算、決済など他段階で処理が必要で、とても複雑なプロセスを経ているのが現状です。

ブロックチェーンの応用によりこのプロセスがシンプルになれば、大幅な手数料ダウンが期待できそうですね。

本書を読んでみた感想

すべての章において、対比や具体例を用いながら丁寧に解説されているので、それまで正しく理解ができていなかったことも正しく理解することができました。

また、ビットコイン始めとする仮想通貨に対して賞賛する書籍が多い中、本書はあえて一歩引いた立ち位置から、ビットコインの問題点などについて指摘がされています。

一部の人がほとんどのビットコインを保有しているなど、知らなかったことが多く書かれており、目から鱗でした。

仮想通貨やブロックチェーン技術について理解が深まったことはもちろんのこと、広い視野で物事をとらえることの大切さを学びました。

Amazonのレビューをチェック!

Amazonではどのようなレビューが寄せられているのか見てみましょう。

32件のレビューが寄せられており、評価は5つ星のうち4.1でした。

以下、興味深かったレビューをいくつかご紹介します。

巷に溢れる仮想通貨やビットコインの書籍とは一線を画す内容。具体的な投資方法などではなく、基礎知識として知っておきたいブロックチェーンの可能性が記されています。
特に最近ビットコイン投機を始めたユーザーは一度目を通しておくべきです。

私もまさに同意見です。

ビットコインに投資・投機を始めてみようお考えの方には、投資方法の解説書ではなく、まず本書に目を通してほしいと思いました。

昨今のビットコインの高騰理由や仕組みについて気になった為購入しましたが、仕組みや危険性などについて勉強できました。
ネットなどの記事ではポジショントークが多い為、気をつけたいと思います。

情報が溢れすぎている世の中だからこそ、誰の情報をどのように得るかというのは大切なことですよね。

本書では、事実に基づいてフラットな立場から解説されているので、ビットコインやブロックチェーン技術の基礎を学びたい人にはオススメです。

一方で、

タイトルにビットコインとあるのでビットコイン、仮想通貨投資に興味ある人が手に取るのが多いのではないかと思いますが1/3程度ビットコインについて解説した後はブロックチェーンやブロックチェーンを利用したデジタル通過(円、ドルなど)の話が続き、本としてはそちらが本題です。

という意見も。

確かに、本書は半分以上のページがブロックチェーンの解説に割かれています。

ビットコインについて学びたいという方が手に取ると、肩透かしを食ってしまうかもしれません。

ですが、ブロックチェーン技術を学ぶことはビットコインを学ぶことにもつながってきますし、ブロックチェーン技術がビットコインの基幹技術であることは間違いありません。

私個人としては、投資方法の解説書を手に取る前に、本書でビットコインやブロックチェーンの本質を理解することをオススメします。

Amazonでの購入ページはこちら

「アフター・ビットコイン」の購入ページはこちらです。

kindle版:1,600円
単行本(ソフトカバー):1,728円
(金額は変動する可能性があります。最新情報は、アマゾンにてご確認ください。)

まとめ

以上、「アフター・ビットコイン」の書評をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

ビットコインやブロックチェーン技術についてわかりやすく解説されている本書は、仮想通貨初心者にぴったりです。

ブロックチェーン技術が多くの業界構造を変革するかもしれない今、仮想通貨投資をお考えの方だけでなく、ビジネスマンにも是非読んでもらいたい1冊。

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